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「かたき同志」石井ふく子・藤山直美・高島礼子インタビュー

藤山直美と高島礼子が繰り広げる女の闘いに、演出の石井ふく子「私も楽しみ」

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橋田壽賀子作『かたき同志』について、演出の石井ふく子と、江戸下町の飲み屋の女将・かめを演じる藤山直美、呉服問屋を切り盛りする女主人・お鶴を演じる高島礼子に話を聞いた。

藤山が本作に同役で出演するのは2015年以来となる。石井は「次に上演するときも、かめは直美さんじゃなきゃ嫌だなと思っていた」と語る。藤山の魅力については、「人にはない唯一無二の魅力がある。直美さんにしかできないことがある」と石井。さらに、「高島さんも同じ。それが魅力というものです。誰でも同じことができるなら、魅力とは言えません。私のなかでは、かめ役は直美さん以外考えられない。それほどはっきりとした像が心にあるんです。今回は直美さんと高島さんのお二人が組んだらどうなるのか、私自身も楽しみにしています」と期待を込めた。 P2_DDN3244_01_re_438x560.jpg

橋田壽賀子×石井ふく子という"ゴールデンコンビ"による作品に出演経験のある藤山と高島。このコンビならではの魅力は、どのように発揮されているのだろうか。  

藤山は次のように語る。「橋田先生と石井先生の作品は、江戸前が多いので、関西弁の私は本来はご法度です。でも『かたき同志』では、大坂から江戸に流れてきた女将という設定にしていただきました。人間がきちんと描かれているから、土地は関係ないと実感できて、とても嬉しかったですね」。 P3_DDN3251_01_re_373x560.jpg

一方の高島は、『渡る世間は鬼ばかり』でのエピソードを交えて、橋田と石井の関係性を語った。「石井先生と橋田先生は、言いたいことを言い合いながらも、最終的には素晴らしい作品に仕上げてしまう。その関係性がすごいと思います。『かたき同志』でも、人の嫌な部分をえぐるようなセリフがたくさん出てきますが、そうした本音をぶつけ合った先に、本当の友情が出来上がる。それがこの作品に凝縮されていると感じています」。  

また、高島は石井から受けた影響についても触れた。「役に魂を込めるというか、先生はご自身のかんざしや着物など、小道具として何か一つ提供してくださるんです。2012年に出演した『女たちの忠臣蔵』以来、私も何か作品に出るときは、自分の持ち物を使うようになりました。魂を役に注ぐというこのやり方は、先生から教えていただきました」。  

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長年にわたり、橋田とともに「家族」の姿を描き続けてきた石井。橋田から託された"想い"をこう明かす。  

「やっぱり家族はこの世の中で一番大事だと思います。今の時代、自分のことばっかり考えて、親に育ててもらった感謝の気持ち、兄弟仲良くやる気持ちがなくなってきているように思います。橋田さんが亡くなる少し前に、病室で私に"ちょっと話がある"と。"家族や友達との心と心のつながり、これをあなた、ずっと続けてね。私は一緒にやれないかもしれないけど"と言うから、怒ったんですよ。そんなこと言わないでよ!って。"でも、私が思っていることは、そうなんだから。私にもしものことがあったら、ちゃんとやってね。くれぐれも頼むわよ"と言われました。そういうことを、仕事をしているときにふと思い出します」。  

劇中で「女の闘い」を繰り広げる藤山と高島。互いにどう見ているのかを尋ねると、藤山は温かなまなざしでこう語った。「初めてお見かけしたとき、『きれいな方やなぁ』という印象でした。でも、その後の人生のなかで、嬉しいことも苦しいことも、傷ついたことも、寂しい思いも、全部重ねてこられて。今、とてもいい年齢になられて、これからさらに舞台や映画、テレビで活躍されることを楽しみにしています。"かたき"なんて、思えへん」。  

高島もまた、笑顔で応じた。「まさか『かたき同志』で直美さんと共演できるなんて。憧れの直美さんが相手ですが、かめとお鶴はまったく違うキャラクターなので、遠慮せずに、作品のためにしっかりと闘いたいと思います」。 

取材・文=岩本和子 
撮影=髙村直希  ※「高」の字ははしごだか 

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